営利?非営利?
「営利活動 と 非営利活動 」をテーマとしたコラムを毎月掲載中!
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「たくさん利益を出して、儲けた分だけ、自分たちの収入にする!」
手元に残った利益を関係者で分けることを目指すのが営利活動です。
従業員・経営陣にはボーナスで、株主・出資者には配当金等で還元します。
「利益はすべて社会課題解決のための事業費として、みんなのために使う!」
手元に残った利益すべてを「事業費」として活用するのが非営利活動です。
営利活動では手が出せない社会課題へアプローチできる点が強みの一つです。
このように、営利活動と非営利活動の境界線は「手元に残った利益への取り組みの違い」にあります。
一方で、営利・非営利とも、健全な経営・組織運営には、
必要経費(固定費・人件費・事業費等)を確保するため、利益を上げることは必要不可欠です。
十分な利益を上げることができなければ、倒産・解散・活動休止となってしまいます。
非営利活動でも利益確保が大切なのに、
「非営利活動は無料でサービスを提供しなければならない?」
「非営利活動では関係者に人件費を出せない?」
との誤解が根強く残っているようです。
この誤解は、他の枠組み (ボランティアの無償性・著作権や肖像権に基づく商用利用不可
・オーナーの方針に基づく施設管理権等)と、
営利・非営利の枠組みが混同されていることが一因なのです。
(次号に続く)
営利活動も非営利活動も、健全な経営・組織運営には、
必要経費を賄うために利益の確保が必要不可欠です。
けれども、非営利活動に対しては「無料・無報酬」という誤解が広く定着しているように感じます。
今回は、その誤解の要因の一つである
「ボランティア活動の4原則」の「③無償性・無給性」についてお話します。
ボランティア活動の基盤には「ボランティア活動の4原則」と呼ばれている考え方があります。
1970年代に日本へ取り入れられるようになった、次の4つの考え方です。
① 自主性・主体性:
強制や義務ではなく、自らが主体的に意思決定した取り組みであること
② 社会性・連帯性:
個々の活動がつながり合うことで、社会的な課題の解決を目指す取り組みとなること
③ 無償性・無給性:
金銭的な利益や報酬を第一の目的とせず、
お金では計れないプライスレスな(尊い)価値に基づく取り組みであること
④ 創造性・開拓性・先駆性:
固定観念や従来の考え方・既存の手法に囚われることなく、
新しい発想や手法によって、より良い社会を創る取り組みであること
実は、この「③無償性・無給性」が曲者です。
本来は「priceless プライスレス(お金では計れないとても貴重で価値がある)」という意味ですが、
漢字だけを素直に読むと「free フリー(無償・無料)」と誤解してしまうのです。
(次号に続く)
ボランティア活動の根底には「金銭的な利益や報酬を第一の目的とせず、
お金では計れない尊い(プライスレス priceless な)価値に基づく取り組みである」
という考え方があります。
この考え方は「無償性・無給性」という言葉で表現されることで、
いつの間にか「ボランティア=free フリー(無償・無料)での取り組みである」との誤解を
広く定着させていくことにつながっていきました。
1970年頃、人口増加に伴う経済成長が目覚ましい時代では、
「銀行に100万円貯金すると、10年後には200万円位になる」こともありました。
「誰もが貯金でお金を増やす」という社会環境は、
「まずは貯金」という文化を醸成させるとともに
「ボランティア活動=無償・無料での取り組み=自分で手出しが当たり前」
という雰囲気を醸成させていく一因にもなったように思えます。
事実、誰もが貯金で増やしたお金を「困っている誰かのために活かす」という取り組みは、
当時のpriceless(プライスレス)な体験そのものでもありました。
一方、2000年頃から、それぞれの地域で人口減少・少子高齢化が進むようになります。
この頃には、「銀行に100万円を貯金しても、10年後でも102万円程度にしかならない」
という状況になりました。
(次号に続く)
1970年頃は、100万円を貯金すると10年間で200万円になる社会でした。
それから半世紀、2000年以降は、100万円を貯金しても
10年間で102万円にしかならない社会になりました。
この社会変化は「ボランティア活動における priceless(プライスレス)な価値・free(フリー)な価値」
にも大きな変化をもたらすとともに、
それぞれの世代に大きな溝を創ってしまったように思えます。
現在、様々なボランティア活動団体が「参加者」や「担い手」を探しています。
その一方で、多くの現役世代にとって、
「金銭的な負担を当然のように強いてくる類のボランティア活動」
への参加は難しいものとなっています。
時に「金銭的な負担軽減」が論点となり、
負担金額の大小に話が発展することもありますが、
多くの場合、金額の大小は本質的な問題ではありません。
金額以前に、「priceless(プライスレス)な価値・free(フリー)な価値」
に対する解釈がすれ違っているのです。
「負担を当然のように強いてくる枠組み = freeを強いてくる枠組み」それ自体に対し、
あるいは、その枠組みを是(priceless)とした活動の在り方に対し、
あるいは、pricelessとfreeの違いを意識しない組織体質に対し、
現役世代は、違和感・戸惑い・恐れ・疑問を抱き、賛同できない状況にあるようです。
(次号に続く)
※ みんくるコラム は センター内研修で使用している「次の2つの資料」をもとに作成しています。
みんくるコラム の 元ネタ①
市民活動(非営利公益活動) & 営利活動 & 宗教活動 & 選挙活動 & そもそも違法な行為
みんくるコラム の 元ネタ②
協働 Design – きょうどう? デザイン –
( 2019年9月4日 柳川市ボランティア入門講座 資料 より )
地域情報紙 SECOND
みんくるコラムは、地域情報誌 SECONDの「コラム企画」に掲載しています。




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